956K (1983)
1984 ADAC 1000km Nurburgring


1982年からメーカー選手権は新しく規定されたグループCで争われることとなり、これに合わせて開発された 956は、軽量のケブラー製ボディに、クーゲルフィッシャー製のメカニカル・インジェクションとKKK製のツインターボにより、620馬力を発揮する 2.65リッター・エンジンが搭載され、最高速度は347km/hに達しました。 1982年のルマンにおけるデビュー戦において表彰台の1位から3位までを独占したのをはじめ、シーズン中の4戦に優勝し、この年のチャンピオンシップを獲得しています。また、ワークスマシンと同仕様の 956が 12台も市販され、サーキットは 956で埋め尽くされ、耐久レースにおけるポルシェの黄金期を築きました。

1984年にニュルブルクリンクで開催されたWEC、ADAC1000km耐久レースにニューマン・ヨースト・レーシングから出場したゼッケン#7の 956Kは、Henri Pescarolo、Stefan Johansson、Ayrton Senna らのドライブにより悪天候のレースを8位で終えています。この 956は、この年 F1デビューしたアイルトン・セナがステアリングを握った唯一のグループCカーとなりました。

この作品は、Studio27から発売されているトランス・キットを使用して、タミヤ (TAMIYA) 1/24のプラスチック・キットを 1984年のADAC1000kmレース出場車両に仕上げたものです。スタジオ27のトランス・キットはベースキットとの相性も良く、簡単に956をショート・テールに改造することができます。気分を盛り上げるために用意したフィギュアは、CRAFT10によるレジン製で、なかなか良くセナの特徴を捉えています。こちらも同社から数種類が販売されています。

ベース・キットに使用したタミヤの Newman ポルシェは 84年のルマンで優勝したゼッケン7番、最新型の 956Bが箱絵に描かれていますが、付属のデカールにはリタイヤに終わったゼッケン8番の 956の分もセットされています。ルマンから1ヶ月、ニュルブルクリンクでアイルトン・セナのドライブした 956はルマンではゼッケン8番を付けて出場した車両そのものなので、今回の作品のベース・キットとしては、これ以上のものはありません。 ニュルブルクリンク戦に向けマシンをセッティングするメカニックの気分を味わいながら、ルマン仕様のロングテールをニュルブルクリンク用のショートテールに改造して楽しみました。